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婦人科 悪性疾患に関する診療の詳細


<当科における婦人科がん(悪性腫瘍)治療についての基本的な考え方>

 当院は道南地区の地域がん診療連携拠点病院に指定されており、病院全体でがん治療に関する様々な問題に取り組んでいます。婦人科がんの領域においては2006年以降日本婦人科腫瘍学会/編「婦人科がん治療ガイドライン」の発刊により、婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど)ではこのガイドラインを参考にして治療法(標準治療)が選択されることが多くなってきました。

(金原出版、日本リンパ浮腫研究会)

  患者さんの置かれた状況はそれぞれであり、常に最も推奨される治療法が選択されるとは限りません。当科における婦人科がん診療では、「婦人科腫瘍専門医」・「産婦人科内視鏡技術認定医」を中心としたカンファランスによる治療ガイドラインに基づいた婦人科がんの診断・治療方針の決定の後、担当医によるがん治療法の説明・選択の提示を行い、患者さんの同意に基づき施行可能なうちのよりよい治療法を決定・施行しています。
 通常は初診後、説明用パンフレットを通して現在のがんの状態の認識を同じくした上で(すなわち様々な検査にて進行期あるいは推定進行期を決定する)、生存率・合併症の観点から進行期にあった施行可能な推奨レベルの高い治療法を選択し施行します。複数の治療法が存在する場合や患者さんの置かれた環境の問題もあり、可能な場合は患者さんの意向も取り入れます。当科における婦人科がん診断・治療の概要についてはこちらをご覧ください。
 また当院では倫理委員会の承認のもと、治療ガイドラインでの標準的な治療法を超える先進的な医療も先進医療あるいは自費診療という診療形態で施行しており、説明用パンフレットを通してその診療に対する相互理解が一致すれば、同意書をいただいた上で施行しています。現在以下の診療が対象です。

  1.  子宮頸がんに対する腹腔鏡下手術
  2.  子宮頸がん・体がんに対するセンチネルリンパ節生検と術中転移陰性の場合のリンパ節郭清の省略
  3.  子宮体がんにおける傍大動脈リンパ節摘出を含む初回腹腔鏡下子宮体がん根治手術
  4.  ICGおよび蛍光カメラを用いた骨盤リンパ節郭清術施行患者に対する術後下肢リンパ浮腫の発症予測とリンパ管吻合術による浮腫の治療

の4つの先進的な診療(一部臨床試験)を施行しています。非健康保険診療ですが費用負担がそれぞれの診療で異なりますのでそれぞれの項目を参照ください。


 当院産婦人科は2006年以降医師不足により病棟閉鎖あるいは外来診療のみでしたが、専門医の赴任に伴い2009年4月より標準的・先進的な婦人科治療を行う入院診療を再開しました。現在までの悪性腫瘍(上皮内がんは含まない)での当院での手術の内訳は以下の通りです(何らかの形で行われた手術で試験開腹、試験的腹腔鏡を含む)。

 化学療法施行患者も含めた2015年度の悪性腫瘍治療入院患者数は、進行がん患者の増加に伴い2015年度で430名と徐々に増加しています。一方、当院は主に急性期疾患に対応する病院であり、がん治療といえども医学的に必要がなければ救急治療に対応するために長期入院ができません。ただし、がん治療においては患者さんにより状態が様々ですので、全身状態等を勘案して入院期間が決められます。なお当科では、健康保険適用のない治療は、倫理委員会の承認を得た先進的な診療の場合を除き原則施行していません。健康保険適用のない自費診療における自己負担での治療に関しては担当医とご相談ください。